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松子 Bahala lang!

一生忘れない一週間・・・水曜日

水曜朝。

まだ一番目の窯を焚いている。
乾いていない薪を使いながら。
これではいくら焚いたって温度が上がらない。
一昨日から一番走り回って、動いているバランガイの仲間ジェシーが
知り合い伝で、乾いた薪を手にすることになった。
エチョイのトラックを借りて、エチョイとその薪代をシェアして・・・・
乾いた薪(ココナツの殻)を手に入れてから順調に温度が上がり・・・・
結局1番目の窯が焚き終わったのが14時。

それから5時間、2番である。
因みに1番と2番の部屋にはレンガか詰まっている。
このレンガ、私たちががずーーーっと前に役場にオーダーしていた、
私たちのバランガイに作る窯のためのレンガだった。
なんという因縁だろう。
一生忘れない一週間・・・水曜日_a0088435_2414577.jpg

一つ不思議なことがあった。
乾いた薪が十二分に確保されているにもかかわらず、
エチョイは濡れた薪を二番に使い続けている。
ナゼだと聞けば、2番は強い火だから乾いてなくても大丈夫だと・・・

カンマティングは窯焚きの経験が少なく、
エチョイたちのほうが玄人。
彼らがやることには、経験も知識も浅い私たちは消極的にするしかないのです。

結局、2番が終わったのが18時。
これから5時間私たちの3番の窯焚きの時間。
窯焚き、火を操り続けるのは相当の体力を消耗する。
始る時間にはすでに疲労の色。

それまで閉じていた3番の薪口を開ける。
    ・
    ・
    ・
    ・
??????
何が起きたのだろう。
薪口からは部屋の中が見えるのだが・・・・
詰めたジャーがほとんど壊れている。
ひびが入ったというレベルじゃない。
無残にも、壊れて崩れているのだ。
言葉が出ない。
いつも何事にも「オッケーィ、オッケーィ」って言うジェシーが無表情。
そんな言葉なんて絶対出てこない。

せっかく入った大きなオーダーに、どれだけ私たちが期待をしていたか。
どれだけこれに時間と労力を費やしてきたか。
粘土を掘って大八車に乗せて運んで、
道具も何もないから、手と足をを使って汗水流して粘土をつくり、
狭い作業場で、少ない道具で作った。
ここら辺のほかの生産者にないデザインにした。
自慢の、自信の私たちだけの作品だった。

窯焚きで話してわかったのですが。
これを作ったジェシーとエドウィンは陶磁器だけが仕事じゃないんです。
ジェシーはバランガイのセキュリティのために
夜バランガイのパトロール毎晩してるんです。
エドウィンは、隣町まで自転車で走って、
金持ちの家のガードマンをしてるんです。
その仕事をしながら、朝帰ってきて、これを作ってたんです。
私なんか、夜寝てたんですから、怠け者。

落胆しながらも、
唯一形を残している一つのジャー、二つのベースのために5時間焼き続ける。
その唯一のジャーだってひびが入りまくって今にも壊れそうな状態。
でも、オーダーのためにも最善の努力を。
悲しくて悔しくて、そんな中、薪をくべ続けました。

23時。
窯焚き終了。
達成感などなく、オーダーしてくれた人にどう話そうか、
ナゼこんなことになったのか、
そればかりが頭の中を駆け巡る。
今仕事に行ってるエドウィンがこれを見たらなんて思うだろう・・・・



by rmutts | 2008-10-10 00:45

Bahala langとはフィリピンの言葉で「なるようになる」であーる。もうどんなことが起きても松子はびっくりしないぜ!
by rmutts
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